君の面影を探して
しかし丸を付けていくと10問中10問全てが間違いだった


「なんでー?全部合っとるやんか!」

「お前なあ…なんで分数が整数になっとんねん。分母はどこ行ったんな」

「あ…」

「はいやり直し」


魁人から問題集を受け取ると肩を落としさっきまで座っていた場所へ戻っていった

それから3時間ずっと座って問題集と3人で睨めっこしている

時計に目をやると19:25を差していた



「ふぅ…」

満月は溜め息をついて窓の外に目をやると真っ黒な空から真ん丸の月が覗いているのが目に入った


「あ!満月や!」


満月はそう叫ぶと窓の所へすっ飛んで行った

それを追うように怜桜も窓の所へ駆け寄った


「うおー…すげえ…」

「満月ってうちの名前の由来やんな…」


空を見上げて満月はそうボソッと呟く

その顔は少し寂しげだった
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