君の面影を探して
「うち怜桜のこと…好きになっとる?」


まだ確信はできない

いや、確信したくない


怜桜はただの従兄

叔父の息子なのだから

絶対に惚れてはいけない存在だから…


「満月」

魁人は満月を後ろからそっと抱きしめた


「怜桜に気持ち伝えてみ?不安も全部」


不安も全部伝える…

気持ちも全部伝える…


「でも怜桜は…」


でも怜桜とうちは従兄同士

こんなんおっちゃんは許してくれるやろか?


「大丈夫。絶対大丈夫やから」

魁人はそう言うと満月の体を抱き上げ階段の下まで持っていった


この階段を上がればすぐに怜桜の部屋がある

魁人の方を振り向くと優しく微笑んで満月を見下ろしていた


そして満月は何も言わず階段を一段一段ゆっくりと上がっていくのだった
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