君の面影を探して
「怜桜…?」

怜桜の部屋の明かりはついていなかった

ただ月の光が外から窓辺の怜桜を照らしているだけだ


怜桜はベッドに座りジッと空を見つめている

満月の声に反応は返ってこない


「怜桜?」

満月はもう1度怜桜の名を呼んだ


「あぁ…満月か」

怜桜はそう言って目に手を当てて何かを拭うような仕草をした


「泣いとったん?」

満月は驚いた顔をして聞いた


怜桜が泣いている所なんて今まで1度も見たことがないのだから

満月の質問に答えは返ってこない


いつもムスッとして口を開けば罵声を浴びせてくる

それが満月の中の怜桜のイメージだった
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