Lie & Truth ―君色番外編―
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「え~~なんでダメなの?いいじゃんよたまには」

「ダメー。部屋汚いし」

「片付けろよ!」

「イヤ。めんどくさい」


あまりにも頑なに断るもんだから、部屋が汚いという事だけが原因じゃないことはすぐにわかったけれど

それでもどうしても彼女は理由を割らない。


俺もそれ以上、なんとなく立ち入れないでいた。



「そのうち連れてくってば」

「またそのうちかよー。何回聞いたかね、その言葉」


何だかんだ言っても俺達はうまく言っていたと思う。


毎日一緒にいれば情も移るし、相手に気を許すようになる。


ただ、計算外だったのは


俺が自分で思ってた以上にアイツを好きになっていたという事だった。


俺はいつもそうだ。

無気力な性格は生まれつきなのか、いまひとつ自分の欲望に疎い。


本当は、もっと独占したいという

奥底に眠る願望に気づけづにいた。



それに気づいたのは、付き合いもあっという間に一年程が過ぎていったある日の事だった。

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