Lie & Truth ―君色番外編―
「あのさ…話あんだけど」
「ん?」
今日はいつもどおり、二人でファミレスに来ている。
俺はコーラを、彼女はソーダをすすりながら向かい合って座っていた。
「…ケイタが、お前の事昨日見かけたっつーんだよね」
「あぁ……そうなんだ」
俺はチラリと彼女の表情を伺うが、これと言って特に動揺してる様子は見られない。
「男と一緒だったって言うんだけど?」
「えぇ?」
なにそれ?と鼻で笑うように話をはぐらかそうとする留美。
でも俺は、どうしてもハッキリさせたくて、真剣な眼差しを向けながら彼女に問いただした。
「…他に好きな奴でも出来たの?」
「そんなんじゃないよ」
「…じゃあ何なんだよ!?その男!!」
勢い余って手に持っていたグラスを思い切りテーブルに打ち付け、俺は声を荒げる。
すると、周囲にいた客が一斉にこちらに注目した。
「あ…ごめん」
「……………」
ここが公衆の面前であることを思い出した俺は直ぐさま自分のしでかした事に後悔し、とりあえず留美に謝罪した。
しかし彼女は納得がいかないのか、その表情をどんどんと曇らせていく。
いや、ふて腐れていくと言った方が合ってるのかもしれない。