Lie & Truth ―君色番外編―
ここで少し俺の生い立ちについて説明しよう。
生まれた時からそれはそれは可愛らしい男の子で蝶よ花よともてはやされながら育ち、今に至る…。
あれ?終わっちゃった。
まぁ兎にも角にも、某イケメン巣窟事務所からお声がかかるような非の打ち所が無いような男だという事だ。
しかし、そんな俺にも欠点がある。
それは…
女運がとーーーーーーーっても悪いという事だ。
「久しぶりだね~元気してた?」
「まぁね…」
俺は目を逸らすように曖昧に返事をした。
樹里の顔が直視できない。
それは、まだあの時のショックから立ち直れていない事を物語っている証拠だった。
“俺と付き合って?”
その言葉を自分から口にしたのは人生で2回目。
勿論彼女なんて今まで数え切れないほどいたし、二股三股なんて当たり前だった。
ただ、本気で自分から望んで付き合いたいと思ったのは4年間付き合った元カノを含めて二人目で。
まぁ、見事に玉砕したわけなのだが。
喫茶店で樹里が元彼とヨリが戻ったの~とか笑いながら断ってきたときはマジでぶっ殺してやろーかと思った。
自覚はしてなかったけど…
結構本気で惚れ込んでいたらしくて
次に進めないまま気がついたら一年が経っていたのだ。