Lie & Truth ―君色番外編―
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「も~!!どうしたの?純平くん!ボーッとして!」

「え?あ、ゴメン」


今日は何かと昔の事を思い出すな…。

この女の香水のせいか…?


俺は隣の女を一瞥し

警戒の眼差しを送る。



「そろそろ出る?親睦会も兼ねてこれからカラオケとかどう?」

「はぁ~?親睦会?」

「だってこれから同じ大学の仲間になるわけだし」


誰がおまえらとつるむっつったよ!?

勘弁してくれ…


「あたしは賛成」

「さっすが星野さん!話わかるぅー!」

「マリって呼んで?あたしも樹里って呼ぶから」

「おっけ~!じゃあ行きますよーみなさん!」


相変わらずゴーイングマイウェイな奴だな樹里は…。


つーか俺今カラオケって気分じゃねー…。


この女も余計な事言いやがって…



俺はコメカミを押さえながらふと、星野に視線を向ける。


「え………」


彼女はずっとこちらを意味深な眼差しで見つめていた。


なんだ?

やっぱ変な女…。




俺達が入ったカラオケ屋は偶然にも…
俺が初めて留美とであったあのカラオケやで。

運命のいたずらとはいくつもの偶然を引き起こすものだと関心したくらいだ。


でもこんなことくらいで動揺するような俺じゃない。

もう、とっくに過去とはケリがついてるんだから。

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