Lie & Truth ―君色番外編―
そして…翌日。
「気合い入れすぎじゃない?」
いつもの寝癖ヘアーは何処へいったのやら。
キッチリとポマードをつけたような艶めかしい髪型を決め込んでいる二人。
気合いの入れどころ間違ってるよ…と野暮な事を突っ込むのはこの際やめておこう。
「お前がやる気無さすぎなの!俺らはこの合コンに人生かけてんだよ!」
「んな大げさな…」
そしていつの間に合コンという話になったんだろう。
大勢とか苦手なんだけどな、俺。
「何だよ、さっきから黙り込んで。あっ、さては緊張してんのか?」
田中がニヤニヤしながら茶化してくる。
心底気が進まなくて怠さをアピールしていただけなのに…。
勘違いも甚だしい。
「誰が」
「初恋がまだな純真くんには合コンなんて刺激が強すぎるかぁー?あははっ」
くっ…田中ごときにバカにされた。
てめーなんかまだ童貞じゃねぇかよ。
恋愛のなんたるかをおまえに云々言われるのは心外だ!!
とまぁ、そんな具合に始まった合コンも
いざ行ってみれば結構楽しかったりするもんで。
ファミレスで合流し、少し話しただけで意気投合した俺たちは、すぐに定番のカラオケへ移動した。
マイクを離そうとしない田中。
盛り上げ役担当の佐伯。
女の子も女の子でそれぞれ楽しくやっている様子だ。
そんな俺は監視員?
それくらい、周りを色々見ていたと思う。
元々自分から積極的に話すタイプじゃないから、なんとなくみんなの様子を見ている方が楽しかったんだ。