Lie & Truth ―君色番外編―

そして、その中に

石垣留美はいた。


合コンなんて必要ないだろ?と思うくらい

男が放っておかないような容姿をしているのに

何故か彼女はここにいる。


まぁ同じ穴のムジナといった所だろう。



遠くで見守る保護者役よろしく、みんなの様子を見ながらジュースをたらふく飲んでいた俺は、そのうちトイレに行きたくなって

別にコッソリと出て行く必要はなかったのだが、なんとなく雰囲気を壊すのは悪いと思い、そーっと部屋を出て行った。



部屋から出ただけなのに、なんだろうこの空気の差。


部屋の中は窓が無い上に地下という事もあって空気がかなり濁っていた。


またあの部屋に戻るのかと思うと気持ちが沈んだが、
ずっと外にいてもする事がないので俺は再び部屋へ向かう事にした。



所が、その途中で


「よーっす」


思いも寄らない人物が俺を待ち伏せていたのだ。



「……石垣さんだっけ?」

「留美って呼んでー?」



…なんだコイツ、馴れ馴れしいな。


正直、当時の俺はこういう直球タイプの女は苦手だった。


「こんな所で何してんの?」

「君を待ってたの!ね、これから二人でどっか行かない?」


それは二人で抜け出すということか。


しかしそんな事をすれば後で田中に何を言われるかわかったもんじゃない。


なぜか?アイツは最初から彼女狙いという事が痛いくらい態度に出ていたからだ。

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