Lie & Truth ―君色番外編―
そして会計を済まし
隣接している公園へ当たり前のように移動する。
夕暮れ時だからか、もう人の姿は見えなくて
その場には俺と留美の二人しかいないと思うと
ほんのちょっとだけ
意識する。
「よっし、じゃー乾杯!!」
「何に?」
「う~~ん…じゃああたし達の出会いに!」
「「乾杯ー!」」
留美は乾杯するや否やいきなり一気飲み。
あっという間に持っていた缶の中身を空にすると、次の缶へと手を伸ばす。
それも半分以上はビールだ。
「お前、ほんとは中学生じゃねーだろ」
中学生にしては渋すぎる趣味だ。
「失礼ねぇー!正真正銘中学生ですけどっ?」
かばんから生徒手帳を出してこれみよがしに見せびらかしてくる。
「あーわかったわかった!」
コンビニの店員もよく酒売ってくれたな。
あ、コイツフケてるから未成年に見えなかったのか。
彼女の大人っぽい容姿の原因は、スラッ伸びる身長だけではないと思う。
雰囲気も何処か悟りを開いているような感じで、若々しさが欠落している。
どれだけ苦汁を味わってきたらこうなれるのだろうかと、逆に同情してしまいそうになった。
しかし何と言っても極めつけはその色気だ。
少しピンクがかった白い肌に漆黒の髪が妖しく映える。
唇が赤くて吸ったらきっと、甘美な味が広がるにちがいない…
―――とか、そんな事を考えてる時点で俺も中坊っぽくないか。
石垣留美。
本当に不思議な女だ。