いばら姫
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文化祭の準備は着々と進んでいった。
結局コスプレ喫茶に決まった茨のクラスは、誰がどんなコスプレをして衣装はどうするかなどを話し合い、皆がそれぞれ内装と小道具のグループに別れて作業する事になった。
「あ~やっと形だけはまとまったな!」
「あとは本番を迎えるだけですね!」
茨は衣装を担当する事になっているのだが
「お前変な衣装作ってくんなよ?」
京平は不安でいっぱいだった。
たたでさえぶっ飛びすぎている彼女のセンスに任せてとんでもないものが出来上がってしまったらどうしようかと気が気じゃない。
しかし当の本人はそんな事も露知らず、胸を張って堂々と言うのだ。
「大丈夫ですよ!こう見えて裁縫得意なんです~!私たちのベイビーが出来た時に備えて練習して作ってますからっ」
べ…ベイビー!?
どうやら茨の未来予想図にはすでに二人の子供の姿が映っているらしい。
冗談に聞こえないその言葉に口端を引き攣らせる京平。
「俺に人権はないんですか…」
何を言っても無駄だと悟り諦める一方で、どうか万に一つの確率でも、茨の妄想が現実になりませんようにとただ願うばかりだった。
「あっ、そうだ。これ。」
突然思い出したように京平の財布から取り出されたのは、一枚の紙切れ。
「?なんですか?これ」
「チケット。特等席とっといてやったから」
不思議そうに首を傾げる茨に、そう一言付け加えると、彼女は面白いほど歓喜に満ちた表情を浮かべる。
文化祭の準備は着々と進んでいった。
結局コスプレ喫茶に決まった茨のクラスは、誰がどんなコスプレをして衣装はどうするかなどを話し合い、皆がそれぞれ内装と小道具のグループに別れて作業する事になった。
「あ~やっと形だけはまとまったな!」
「あとは本番を迎えるだけですね!」
茨は衣装を担当する事になっているのだが
「お前変な衣装作ってくんなよ?」
京平は不安でいっぱいだった。
たたでさえぶっ飛びすぎている彼女のセンスに任せてとんでもないものが出来上がってしまったらどうしようかと気が気じゃない。
しかし当の本人はそんな事も露知らず、胸を張って堂々と言うのだ。
「大丈夫ですよ!こう見えて裁縫得意なんです~!私たちのベイビーが出来た時に備えて練習して作ってますからっ」
べ…ベイビー!?
どうやら茨の未来予想図にはすでに二人の子供の姿が映っているらしい。
冗談に聞こえないその言葉に口端を引き攣らせる京平。
「俺に人権はないんですか…」
何を言っても無駄だと悟り諦める一方で、どうか万に一つの確率でも、茨の妄想が現実になりませんようにとただ願うばかりだった。
「あっ、そうだ。これ。」
突然思い出したように京平の財布から取り出されたのは、一枚の紙切れ。
「?なんですか?これ」
「チケット。特等席とっといてやったから」
不思議そうに首を傾げる茨に、そう一言付け加えると、彼女は面白いほど歓喜に満ちた表情を浮かべる。