いばら姫
忠実な愛犬に指を噛まれた気分になった京平は、怒りとも悲しみともつかない、でも明らかに不快な感情をどう処理していいのかわからず、ぐるぐると身体の中に巡らせていた。
でも…
もしかしたら何かあったのかもしれないよな…
遭難…?
迷子…?
いやいやいや!
それは無いにしても
何か他に理由があったとしたら…
「あ、俺教室に携帯置いてきたから取りに行って来るわ」
「えっ、京平?」
気になって気になって仕方ない京平は、そんな嘘をついてでも教室に戻って茨の様子を見に行かなきゃいけないような気がした。
あいつがいないと
こんなに落ち着かないなんてな…。
うっとうしいとしか思ってなかった筈なのに
いつから…
一体いつからこんな気持ちを心の奥に潜ませていたんだろう…?
「…なんだー?あいつ」
ハルは首を傾げる。
「………嘘が下手だね、京平は」
その横で梨華はせつなげに京平の背中を見つめていたのだった。
でも…
もしかしたら何かあったのかもしれないよな…
遭難…?
迷子…?
いやいやいや!
それは無いにしても
何か他に理由があったとしたら…
「あ、俺教室に携帯置いてきたから取りに行って来るわ」
「えっ、京平?」
気になって気になって仕方ない京平は、そんな嘘をついてでも教室に戻って茨の様子を見に行かなきゃいけないような気がした。
あいつがいないと
こんなに落ち着かないなんてな…。
うっとうしいとしか思ってなかった筈なのに
いつから…
一体いつからこんな気持ちを心の奥に潜ませていたんだろう…?
「…なんだー?あいつ」
ハルは首を傾げる。
「………嘘が下手だね、京平は」
その横で梨華はせつなげに京平の背中を見つめていたのだった。