いばら姫
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翌日、昨日の余韻のせいでなかなか眠れずにいた茨は
結局ろくに睡眠も取れないまま早めに登校した。
いつも遅刻ギリギリの彼女が一時間も早く登校したなんて先生や他の生徒が知ったらおそらく
“雨がふるぞ”
と口を揃えて言うに違いない。
それくらい珍しい事だったのだ。
あれ?
教室に近づくにつれて、微かに聞こえてくる声のような音。
不思議に思いながら、その音に引き寄せられるようにそっとドアの隙間から中の様子を覗いてみると…
~~~♪♪♪
机の上に腰掛けて、ギターを弾いている京平の姿がそこにはあった。
窓際の席だった為に、カーテンが風に揺れ、太陽の光がまるでスポットライトのように彼を照らし
なんだかその空間が
まるで一枚の絵のように見えて
綺麗過ぎて
吸い込まれそうだった。
声をかけるのも忘れて、京平の弾き語り姿に魅入っていると
「一条?」
視線を感じたのだろうか、バッチリと目が合ってしまった。
「…それ変質者みたいで怖ぇーから入ってこいよ」
茨にしてみれば邪魔しないようにと気を遣っていたつもりだったのだが、
言われてみると確かに、電柱からコッソリとターゲットをつけまわす変質者そのものだ。
翌日、昨日の余韻のせいでなかなか眠れずにいた茨は
結局ろくに睡眠も取れないまま早めに登校した。
いつも遅刻ギリギリの彼女が一時間も早く登校したなんて先生や他の生徒が知ったらおそらく
“雨がふるぞ”
と口を揃えて言うに違いない。
それくらい珍しい事だったのだ。
あれ?
教室に近づくにつれて、微かに聞こえてくる声のような音。
不思議に思いながら、その音に引き寄せられるようにそっとドアの隙間から中の様子を覗いてみると…
~~~♪♪♪
机の上に腰掛けて、ギターを弾いている京平の姿がそこにはあった。
窓際の席だった為に、カーテンが風に揺れ、太陽の光がまるでスポットライトのように彼を照らし
なんだかその空間が
まるで一枚の絵のように見えて
綺麗過ぎて
吸い込まれそうだった。
声をかけるのも忘れて、京平の弾き語り姿に魅入っていると
「一条?」
視線を感じたのだろうか、バッチリと目が合ってしまった。
「…それ変質者みたいで怖ぇーから入ってこいよ」
茨にしてみれば邪魔しないようにと気を遣っていたつもりだったのだが、
言われてみると確かに、電柱からコッソリとターゲットをつけまわす変質者そのものだ。