ダークターゲット
最後の荷物が詰め終わるころ
「一也君、退院おめでとう。」という聞き慣れた声がした。

お世話になった看護師さんの北田さんだ。

21歳で僕と歳が近いし、僕のことを理解してくれるので看護婦師さんのなかで1番好きだ。

「お世話になりました」と僕は頭を下げた。

母に看護師さんに会ったら『お世話になりましたと言って頭を下げるのよ』と云われていたからだが…。

< 11 / 293 >

この作品をシェア

pagetop