ダークターゲット
僕の決心を聞いたリルは心から喜んでいた。

そして強い相手とボクシングを2人で戦ってみようと提案してきた。

父さんもボクシングに答えがあると云ってたし、強い相手なら何かが掴めるかも知れない。今まで練習してきた全てを出しても負けてしまうほどの相手と…。

早く試合がしたい…。



翌日、僕は母さんの葬式後、初めてジムに向かった。

ボクシングの試合がしたいことを伝へ、吹っ切れた自分を見てもらいたかったからだ。
それに会長には今後の住まいのことを話しておこうと思っていた。

だが、ジムに着くと会長は
「カズ!お前に話したいことがあるんだ。上がってくれ」と、待っていたかのように声をかけてきた。

< 253 / 293 >

この作品をシェア

pagetop