あたし、人殺し
玲の葬式が行われた。

玲が居たクラス全員で葬式に行った。

皆真っ黒の服。

あたしは何であんなヤツのために・・・としか思えなかった。

大勢の玲に関わった人達が、ハンカチで目を押さえている。

どこが泣けんの?

その中に、玲の父と母っぽい人が見えた。

母の方は、レースのハンカチで目を押さえながら立っていた。

父の方は、涙目になりながらも母を支えていた。

・・・あれ?

気がつくと、周りにクラスの皆が居なかった。

あたしと、あたしの親友の二人しか居なかった。

「皆は?」

親友に聞かれた。

「知らないよ」

キョロキョロ探しながら答える。

「どこ行っちゃったのかなー」

数分ほど探していると、玲の父に話しかけられた。

「玲のクラスメートかな?」

びっくりした。

もしかしてイジめてる事がバレたら・・・・・・。

「は、はい」

「玲が『あたしはイジめられてた』って遺書に書いてあったんだが・・・」

「・・・・・・」

「誰がイジめてたのか、知ってるかな?」

あっち側は、まさかあたしだとは思うまい。

親友がおどおどしている。

「ちょっと・・・わからないです・・・」

嘘をついた。

何故かって?

あたしが怒られるじゃんかよ。

言うわけないじゃん。

そんな馬鹿じゃないし。

玲の父は去っていった。

「危なかったね・・・」

「まぁね」

また数分して、クラスの皆を見つけた。

あたしと親友は、そのそばに駆け寄った。
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