恋しぶき〜先生と泳いだ季節〜
「うん。愛は週番だから遅くなるって。」
「ふーん。」
…って、それだけ!?
それからプールに着くまで、全然会話なしだし!
練習前だけど、こっちまでやる気なくしそう…。
水着に着替えてプールサイドに出ると、まだ部活の時間じゃないのに一色先輩がプールで泳いでいた。
すごく綺麗な泳ぎ方…。
素人でまだ泳げない私が見ても、スマートだと思えるフォーム。
「一色!あともう少しだったな。」
ストップウォッチでタイムを計っていた、もう一人の3年生男子・村田先輩が泳ぎ終わった一色先輩に話しかける。
一色先輩はゴーグルを取って、村田先輩に言った。
「うーん、そっか。こっからがなかなか縮まらないな。」
「大丈夫だ。まだ大会までには間に合うから。落ち着いていこう。」