恋しぶき〜先生と泳いだ季節〜
私はおそるおそる、その声の方に顔を向けた。
すると…、、、
『やっと気付いた』という顔をした渡先生が、スタート地点に立っていた。
「莉央!こっち来て!ちょっと休憩するか。」
嘘じゃない。
渡先生が、私のことを『莉央』って呼んでる。
なんで…???
私はプールサイドに上がり、ゆっくり歩いて渡先生の所に向かった。
近づいてみると、他の二人もスタート地点で休憩していた。
「疲れてきたのは分かるけど、これで半分終わっただろ?これであと5本だけ。あとたった5本で今日の部活は終わり。そう思ったら頑張れるだろ?」
渡先生は私達を見つめながら、いつものニカッとした笑顔で言った。