恋しぶき〜先生と泳いだ季節〜
「あ゛~~~。ラスト5本、ホントに死ぬかと思ったぁ。」
更衣室で川崎さんはしんどそうにそう言って、制服に着替える前にペットボトルの水を一口飲んだ。
「だね。私も息が上がったよ。」
私も川崎さんの横で制服に着替えながら言う。
「…ねえ、川崎さん。なんで渡先生、私のこと『莉央』…って…?」
私はさっきからずっと気になっていたことを川崎さんに聞いた。
川崎さんなら知っているかもしれないと思った。
私が『莉央』と呼ばれた時には、先生の近くにいたはずだから。