恋しぶき〜先生と泳いだ季節〜
「大丈夫だって。一色先輩も、江藤さん置いて帰らないでしょ。」
川崎さんは笑顔で愛に言った。
「そうだよね♪私も早く50m泳げるようにならなきゃ♪」
愛は川崎さんの方に視線を向け、急に嬉しい表情になってカバンから水着を出した。
なんか、愛、ものすごく楽しそうだな…。
まあ、付き合い始めだもんね。
週番で忙しくてしんどいはずなのに、一色先輩と練習できるってだけでここまでルンルン気分になれるとは…。
うらやましいな。
「練習、頑張ってね。じゃあ、私達は帰ろうか。」
着替え終わった川崎さんに促され、私はロッカーに置いてあったカバンを取った。
「うん。愛、頑張ってね!」
「お疲れ様♪また明日ね!」
愛は笑顔で私達に手を振った。