恋しぶき〜先生と泳いだ季節〜
「俺は過去問で助けてあげられるけど、他の先生はそんなサービスしてくれないだろ?せめて真面目に授業聞くだけでもやって、中間テストのロス、稼がないとな。」
あ。
私の中間テストの成績、バレてる…。。。
「莉央は努力すればできるじゃないか。現にちょっとずつ泳げるようになってる。だから、真剣に授業を受けて勉強すれば、成績なんてすぐ上がる。」
周りは休み時間だから友達と騒いでいるみたいだけど、私と先生の間にはそれとは違う空気が流れていた。
上手く言えないけど…、、、
厳しいこと言われているはずなのに、穏やかというか…。。。
「山田も言ってただろ?授業聞いていればテスト簡単だって。あれ、間違ってないと思うぞ。だから、ほんの少しでいいからメール止めて授業聞いてみろよ。」
「はい…」
少し真面目な顔をした渡先生にそう言われると、私は素直に返事をしてしまっていた。