恋しぶき〜先生と泳いだ季節〜
act09.転がる気持ち



「あっ。川崎さん!身体は大丈夫なの?」



数日後の午前の休み時間。


次の授業が移動教室だった私は、階段を下っている途中で川崎さんを発見した。



「あ、都築さん。もう大丈夫だよ。心配かけてごめんね。」


階段の下から、川崎さんが申し訳ない顔をした。



「~~……」



でも、その後何を言ってるのか、聞き取れなかった。



「え!?何、川崎さん?」


私はその声を聞き取ろうと、早足で階段を下りた。



…が。



階段の端っこに細くついている滑り止めに、上履きが引っかかった。




「あ…っ!」


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