恋しぶき〜先生と泳いだ季節〜
危ない!
…と思った時には遅かった。
持っていたノートやら教科書やらが、手からみるみる離れていく。
そして。
私の身体はバランスを失って、階段を転がった。
その様は、スローモーション。
こんなに遅いなら、自分で動きを止められそうなのに、何故かどうにもならない。
体勢は崩れて、私は階段と平行に横になって転がり落ちていた。
「都築さんっ!」
川崎さんの目の前まで転がり込んできた私は、意識を失った。