恋しぶき〜先生と泳いだ季節〜
それから何日か経って。
水泳の大会と期末テストが近づくこの時期にケガなんて、自分でも情けない。
でも、大会はさすがに私のレベルじゃまだまだ出れそうにないけど…。
「都築さん、ごめんね。私のせいで…。」
部活の時間に黒に赤いラインが入ったジャージに身を包んでプールサイドに登場した私に、川崎さんが一番に声をかけてきた。
「いやぁ、私がトロいだけだよ。ごめんね、迷惑掛けて。そんなに大したことないから。」
私は情けなさからくる照れ笑いで川崎さんに答えた。
実際、あれだけ派手に階段を横転しておきながら、ケガ自体は大したことがなかった。
全治2週間。
期末テストが終わる頃には、また泳げるようになるらしい。
「ところでさ、あの時、なんて言おうと思ってたの?」
私はずっと気になっていたことを聞いた。
私が階段から落ちる前、川崎さんが言おうとしていたこと。