恋しぶき〜先生と泳いだ季節〜
…と、本に書かれている通りに筋トレを始めて少し経って。
「都築!足ひねったんだって?」
そう言って私に近付いてきた人は…、
野澤先輩!?
野澤先輩は、いつもの人懐っこい笑顔でゴーグルを取りながら滑り止めのシートに座った。
やば…。
どうしても、愛の事件があったから、警戒してしまう。
別に私が被害にあったわけでもないのに。
「どうしたの?筋トレ続けなよ。私は休憩だけどね。」
急に緊張して動きを止めてしまった私を見た野澤先輩は、笑顔を崩さずそう言ってリラックスし始めた。
「あ…、、はい……」