恋しぶき〜先生と泳いだ季節〜
本に書かれている回数分、腹筋をやった後で野澤先輩の方を見た。
野澤先輩、さっきからどこをみつめてるんだろ…?
私はそっと、その視線の先をたどった。
それは…、
愛と一色先輩。
二人が一生懸命練習している姿を、ずっと見つめてたの…?
そんな私の視線に気づいたのか、野澤先輩が話し始めた。
「都築も知ってるでしょ?私と江藤のこと。なんか悔しくてさ。江藤に一色くん奪(と)られるかと思ったら…。」
あの時のことだ。
野澤先輩が愛をぶった日のこと…。