恋しぶき〜先生と泳いだ季節〜


「私、一色くんのことを思って身を引いたつもりだった。だから一色くんも私と同じように、どこかで私のことを考えてくれてたら…って、たぶん私の理想…というか、妄想だったんだね。」



野澤先輩の表情が少し曇った。



「江藤が一色くんと付き合ってるって聞いた時、『私、あの時間違えたんだ』…って、思った。私の考えを、一色くんへの想いを、ただ江藤に『八つ当たり』としてぶつけてしまっただけなんだって。」



真剣だけど、楽しそうに練習する愛と一色先輩。

野澤先輩は、そんな二人を見るのが辛そうに見えた。



「一色くんの気持ちの変化に気付かなかった。…そんな私に一色くんを想う資格なんて無いね。」




『みんな変わっていってる』…って、そういうこと…?


一色先輩の気持ちの変化のことなの?


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