恋しぶき〜先生と泳いだ季節〜
act10.気付かぬ想い
「包帯取れたんだ?もうすぐ泳げそうだね、莉央♪」
期末テストが近づいて、またしても部活規制。
梅雨は明けそうで明けないらしい。
今日は愛と学校の図書館でテスト勉強。
「うん!テスト終わったら泳げるよ。」
「しかし、富士登山があるなんて、思わなかった~。どうしよ?一色先輩は絶対インターハイ出るもんね、それどころじゃないと思うしぃ…。」
「だよねぇ。私も初めて聞いた時、血の気引いたよ。」
「野澤先輩からでしょ?私だったら、もっと血の気引いてるっ!!」
愛は笑いながらそう言った。
もう笑い話にできるようになったんだな…。
だけど。
部活がないと渡先生に会えないし、なんか張り合いがないなぁ…。
授業で会えるけど、席替えしちゃって完全に真ん中の方の席になってからは授業帰りに話しかけてもらえることもなくなっちゃったし。。。