恋しぶき〜先生と泳いだ季節〜
愛は私に耳打ちして教えてくれた。
「え!?『吾朗ちゃん』?」
「ば…、莉央、声大きいって!」
「あ、ごめん。」
でもしかし!
『吾朗ちゃん』って!!
なんかかわいいし!
「私のことは、普通に『愛ちゃん』って呼んでくれるよ?」
愛はまだ声のトーンを落としている。
愛がすごく照れてるの、こっちまで伝わる。
なんか、私まで照れそうだよ…。
「莉央は?いないの?好きな人。」
今度は愛の攻撃?
でも、私は…
「いないよー、そんなの。」
ありえない…という感じで私は手を振った。
でも愛は、
「莉央も絶対ウソ!最近ずっとボーっとしてんじゃん!!」
…と、言い切った。