恋しぶき〜先生と泳いだ季節〜
一人、薄暗い部室に残されてしまった。
だけど…。
本当に、渡先生は『先生』としか見てない。
先生の『先生』としてのいい所、たくさん知ってる。
真剣に授業を聞くと、すごく分かりやすかった。
何で今まで聞こうとしなかったのか…ってくらい。
それに
水泳部でもキツイ練習メニューがたくさんあるけど、やる気を出させるのが上手い。
『ほら、あとたったの3本泳いだら、今日は終わりだぞ』とか。
『まだ…』じゃなくて、『たった』。
苦しい時の発想の転換なんて、誰にでもできるものではない。
あと、誰にでもフレンドリーな所。
時に子供のようなイタズラな笑顔で話しかけてくる。
私みたいな特に目立たない生徒にも…。
なんか…
『先生』というか、『人間』として尊敬できる…、そんな人。