恋しぶき〜先生と泳いだ季節〜
「…すみません。」
私は遅くなったことを先生に謝った。
すると、川崎さんが私に耳打ちした。
「嘘ついてごめん。あまりに都築さんが遅いと怪しまれると思って。どうしても泳げないなら、言い訳にもなるでしょ?」
川崎さん…、頭良すぎだって。
とっさにそんなこと浮かぶなんて…。
「ありがとう。」
私も小声でお礼を言った。
「莉央、大丈夫??やっぱさぁ、先生の筋肉すごいよね♪」
本当に私を心配しているのかいないのか…。
愛は渡先生の筋肉しか見ていなかった。
でも、
実はもっとすごい人がいた。
「おーい!新入生紹介するぞ!全員上がってプールサイド集合!!」
渡先生は笛を吹いて、既にプールの中で練習していた先輩たちを呼び集めた。
ぞろぞろとプールから上がる先輩たち。
その中で、いち早く私達の元にたどり着いた人は…、
「え…♪カッコいー…」
渡先生よりもっと筋肉がついていて、その姿を見た愛は、一目で心を奪われたようだった。