恋しぶき〜先生と泳いだ季節〜


「…すみません。」


私は遅くなったことを先生に謝った。


すると、川崎さんが私に耳打ちした。


「嘘ついてごめん。あまりに都築さんが遅いと怪しまれると思って。どうしても泳げないなら、言い訳にもなるでしょ?」


川崎さん…、頭良すぎだって。

とっさにそんなこと浮かぶなんて…。


「ありがとう。」


私も小声でお礼を言った。




「莉央、大丈夫??やっぱさぁ、先生の筋肉すごいよね♪」


本当に私を心配しているのかいないのか…。

愛は渡先生の筋肉しか見ていなかった。



でも、
実はもっとすごい人がいた。





「おーい!新入生紹介するぞ!全員上がってプールサイド集合!!」



渡先生は笛を吹いて、既にプールの中で練習していた先輩たちを呼び集めた。


ぞろぞろとプールから上がる先輩たち。


その中で、いち早く私達の元にたどり着いた人は…、


「え…♪カッコいー…」


渡先生よりもっと筋肉がついていて、その姿を見た愛は、一目で心を奪われたようだった。


< 26 / 514 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop