恋しぶき〜先生と泳いだ季節〜
その人は先生に促された訳でもなく、自ら私達の前に立って挨拶した。
「水泳部へようこそ!部長の3年一色吾朗<いっしき・ごろう>です。」
背が高くて、すらっとした素晴らしい筋肉美
…に加えてイケメンの爽やかな笑顔。
これは愛でなくても、私もやばい…!
渡先生が軽く補足を加えた。
「一色はプールのないうちの高校に水泳部を設立してくれた男だ。去年のインターハイで自由形全国2位に入ってる、我が水泳部の大事なエースだ。泳ぎ方分からなかったら、一色に聞いてもいいぞ。」
す、すご…っ!
こんなプールもない学校に、泳げる人がいたんだ…。
他の先輩も、続々と集まってくる。
渡先生の言った通り、2年は男だけの4人、3年は一色部長の他に男1人、女2人。
1年生合わせて、計12人。
「新入生も入ったことだし、みんなで楽しくインターハイ目指そう。なっ、部長♪」
渡先生がそう一色先輩に振ると、
「そうですね。みんな割と自由に練習してるから、上下関係厳しくないし、分からないことあったら声かけて下さい!」
さすが部長!
上手くまとめてる!