恋しぶき〜先生と泳いだ季節〜
プールサイドに自力で上がれなかった私は、サイドの鉄のはしごからプールサイドに上がって、愛の泳ぎに注目した。
愛は足でプールの壁を蹴って、順調にクロールで泳いでいく。
しかし愛は自分で言っていた通り、20m前後で体勢を崩して立ち上がった。
その表情は、苦しそう?
「江藤!深いから早く上がれ!21mな!次、川崎!」
先生の言葉で、愛は顔を必死に上げてプールサイドに向かう。
そして川崎さんがプールに入った。
川崎さんも最初は順調に思えたけど、愛より少し手前で立った。
「川崎は18m!じゃあ最後、山田!」
川崎さんがプールサイドに上がったと同時に、山田くんがプールに入った。
そして泳ぎだした。
…と思ったけど、
う…、動かない??
山田くんは体を伸ばしてプールに浮かんでいるだけで、手も足も動かす気配がない。
し、
死んでないよね??