恋しぶき〜先生と泳いだ季節〜


「都築は…、仮入部だったよな?」


先生は、さっきつけた記録を見ながら、私に問い掛けた。


「はい。」


その時、先生は少し心配そうな顔を浮かべた。



もしかして…

私が水泳部辞めたいの、気付いてる???


今、『辞めたい』って言うチャンスかな?




「あの…」

「あのさ…」




私が退部の話をしようと思って先生に話しかけたのと、先生が私に何か話しかけようとしたのが、ほぼ同時だった。


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