恋しぶき〜先生と泳いだ季節〜
「俺、中学の時、いじめられてた。」
山田くんは、私が聞き流しそうになるくらいサラリと言った。
「い、いじめ…?」
なんか、全然そんな風に見えないけど…?
「俺、いじめられる前までは勉強も運動もトップクラスだったし、もっとしゃべる奴だった。」
山田くんは、遠い空の入道雲を見つめた。
「ある日『お前は完璧すぎる』って、同じクラスの男子に言われて…。そこからは地獄の毎日だった。」