恋しぶき〜先生と泳いだ季節〜
「よし、都築、7秒!昨日より伸びてるじゃないか!すごいな♪」
この前と同じように、私はプールの中に潜って水に慣れる特訓をしていた。
ゴーグルをして潜ってるから、水の中で目を開けることは苦痛じゃなくなった。
「都築、上がるか。ちょっと休憩してから、泳ぎ方の練習をしよう。もう今日は水の中はおしまいだから。」
渡先生はそう言って、プールの中の私に右手を伸ばした。
「???」
私は、先生のその手の意味が分からなかった。