恋しぶき〜先生と泳いだ季節〜
「都築。お前、まだ普通にプールサイドに上がれずに、端っこの鉄はしご使ってんだろ?いい加減、腕力付けて自分の力で上がらないとな。」
「え…、、、バレてる?」
やばい…!!
そんなとこまで見られてるとは思わなかったし!
「ほら、俺が力貸してやるから、ここからプールサイドに上がってみろよ。」
…その『手』だったの!?
私はおそるおそる渡先生の右手をつかんだ。
すると、先生はすごい力で私の手を引っ張った。
「うわぁ!!」
あっという間にプールサイド。
『自分の力で上がらないと』とか言いながら、ほとんど自分の力を使ってないような気が…。
「都築。感覚、分かったか?」
「…はい。」
先生の手の感触、
すごくごついのに…、、、
優しくて温かい。
…って、
先生の手の感覚が分かっても意味ないし!!