恋しぶき〜先生と泳いだ季節〜
act04.素直な心
「起立!礼!着席!」
今日は、水泳部の練習がない日。
やっと6限の数学の授業、終わったよぉ~。
帰れるっ♪
クラスの様子を一回り見てみると…、
チャイムと共にカバン持って教室を出て行く人
猛ダッシュで机の上を片付けている人
近くの席の人と談笑している人
とにかく、今日一日が終わった喜びに包まれているようだった。
私は席替えで一番後ろの席をゲットして、違う高校に行った同中の友達と授業中にメールし放題だった。
今日は愛と近くのカフェに行く約束してるし、片付けして教室出るかぁ。
数学の教科書をトントンと机で揃えてカバンに入れようとした。
…その時。
「都築。」
聞き覚えのある男性に後ろから呼ばれて、私は机に座ったまま振り向いた。
そこには…、渡先生が立っていた。