恋しぶき〜先生と泳いだ季節〜
「へ??腕立てのやり方ぁ?」
ホットのカフェオレを飲みながら、愛が言った。
「うん。教えてよ。」
私はアイスティーの氷をストローでかき混ぜながら言った。
「簡単じゃん。腕をこう、立てて…」
愛はテーブルに両腕をついて、腕立て伏せの真似をしてみせる。
「違う~。そうじゃなくて…」
あの後、約束通り愛とカフェに来たけど、さっきの渡先生の『部活の間中腕立て』という言葉が少し気になっていた。
だけど、、、
私、実は…、、、
「私、腕立て、1回もできないんだよね~。腕がどうしても曲がらなくて…」
「は???」
それを聞いた愛は、カフェオレを吹きかけた。