恋しぶき〜先生と泳いだ季節〜


「ああ。お前、『自分が泳げるようになりたいから』頑張ってるわけじゃないだろ。俺に言われたから頑張ってるだけだろ?それじゃあ、お前のためにならない。」



先生は、少し悲しそうな顔をした。



確かに、私は渡先生の過去問につられて水泳部に入部した。


練習はとても激しくて厳しくて苦しかった。



だけど…、、、

先生が褒めてくれたことや、1年の他のみんなの励ましのおかげで、最近少しだけど部活が嫌じゃなくなり始めた。





「今なら、都築の話を聞くから。本当は辞めたいんだろ?」



渡先生は、真剣な顔をして私に聞いた。



「私は…」


先生が私のことをそこまで考えてくれただけで、充分嬉しい。


でも、やっと1年のみんなとまとまれそうだし、私は自分の少しの進歩と先生の言葉を信じているから頑張っている。



『都築を絶対泳げるようにしてやる』



あの…、

穏やかな顔をして言った、渡先生の言葉。



今でも、信じてていいんだよね?


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