恋しぶき〜先生と泳いだ季節〜
act05.コンプレックス
日曜日は、雲一つない晴天になった。
午前中だけど、日差しの温かさを感じる。
私は薄い青のニットに薄手の白いコートを羽織って家を出た。
確か…、10時に駅前のファミレスだったよね?
腕時計で時間を確認すると、まだ9時半。
どんなに遅く歩いても、9時40分にファミレスに着きそうだなあ…。
少し早く家を出たことを後悔しながら、私はゆっくり歩いていた。
「おい。…都築?」
歩いていると、背後から聞き覚えのある声が聞こえた。
私はその声の方向に振り返った。