色恋花火
「これ食べたらいいとこ連れてったるわ」
「いいとこ?」
「もうすぐ花火の時間やろ?俺、最高の場所知ってんねん」
……花火……。
あたしはギクリとした。
前日はなかなか眠れない程楽しみにしていた、拓馬と見るはずだった花火。
この七夕イベントの花火を男女のペアで見ると、その二人は永遠に結ばれるというジンクスがあって、
カップルは勿論、気持ちを伝えたい相手がいる人はこのイベントをキッカケにするという話しも聞くくらいにそれは有名だった。
でも修二は地元の人じゃないみたいだし、きっと軽いノリで誘ってくれたんだと思うけど…。
それにしても
あたしには
どちらかを選べと誰かに言われているような気がして、簡単に答えを出していいものかどうか戸惑った。
「花火、嫌いか?」
しかめつらのあたしの顔を覗き込みながら心配そうに修二が尋ねる。
捨てられた子犬のような目で見られると
「そんな事ないよ!大好きだよ!」
と言うしかなかった。
「ほな行こうや~!」
それを聞いて安心したのか彼はまた胸がキュンとするような悪戯な笑顔で笑い、
あたしの手を引きながら最高の場所とやらに向かいはじめたのだった。
「いいとこ?」
「もうすぐ花火の時間やろ?俺、最高の場所知ってんねん」
……花火……。
あたしはギクリとした。
前日はなかなか眠れない程楽しみにしていた、拓馬と見るはずだった花火。
この七夕イベントの花火を男女のペアで見ると、その二人は永遠に結ばれるというジンクスがあって、
カップルは勿論、気持ちを伝えたい相手がいる人はこのイベントをキッカケにするという話しも聞くくらいにそれは有名だった。
でも修二は地元の人じゃないみたいだし、きっと軽いノリで誘ってくれたんだと思うけど…。
それにしても
あたしには
どちらかを選べと誰かに言われているような気がして、簡単に答えを出していいものかどうか戸惑った。
「花火、嫌いか?」
しかめつらのあたしの顔を覗き込みながら心配そうに修二が尋ねる。
捨てられた子犬のような目で見られると
「そんな事ないよ!大好きだよ!」
と言うしかなかった。
「ほな行こうや~!」
それを聞いて安心したのか彼はまた胸がキュンとするような悪戯な笑顔で笑い、
あたしの手を引きながら最高の場所とやらに向かいはじめたのだった。