色恋花火
―02―
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「あれー?お前なんで家いんの?」
リビングで煎餅を食いながらゲームをやっていた俺に、出かけ先から帰ってきた兄貴が首を傾げながら尋ねてきた。
「いちゃわりぃかよ」
視線はそのまま、俺はぶっきらぼうに答える。
「祭いかねーの?」
浴衣姿の彼女を連れている所を見ると二人も祭帰りなのだろう。
少し不機嫌そうにしている彼女から察するに、花火を見ていると兄貴の仕事が間に合わないからという理由でメインイベントの前に戻って来たらしかった。
「めんどくせーからいかねーよ」
「香里奈ちゃん可愛そうに~」
俺が女だったらお前みたいな男絶対やだね、という顔でため息をつく兄貴。
俺からしてみれば祭だの花火だのそんな下らないものにいちいちはしゃいでいられる奴らの方がよっぽどどうかしてる。
「どいつもこいつも祭祭ってうっせーんだよ。あいつももう諦めて帰っただろ」
正直な所、香里奈が別れるって言い出した事なんて、気にも止めていなかった。
むしろ今の今まで忘れていたくらいだ。
本気じゃないってわかってたから。
「え?さっき祭で香里奈ちゃん見かけたけど?」
明日学校で会えば、あいつから謝ってくるに違いない。
喧嘩の後はいつも
そうやって仲直りしてきたんだ。
あいつが俺しか見えていない事をわかってて
甘えすぎていた。
「あれー?お前なんで家いんの?」
リビングで煎餅を食いながらゲームをやっていた俺に、出かけ先から帰ってきた兄貴が首を傾げながら尋ねてきた。
「いちゃわりぃかよ」
視線はそのまま、俺はぶっきらぼうに答える。
「祭いかねーの?」
浴衣姿の彼女を連れている所を見ると二人も祭帰りなのだろう。
少し不機嫌そうにしている彼女から察するに、花火を見ていると兄貴の仕事が間に合わないからという理由でメインイベントの前に戻って来たらしかった。
「めんどくせーからいかねーよ」
「香里奈ちゃん可愛そうに~」
俺が女だったらお前みたいな男絶対やだね、という顔でため息をつく兄貴。
俺からしてみれば祭だの花火だのそんな下らないものにいちいちはしゃいでいられる奴らの方がよっぽどどうかしてる。
「どいつもこいつも祭祭ってうっせーんだよ。あいつももう諦めて帰っただろ」
正直な所、香里奈が別れるって言い出した事なんて、気にも止めていなかった。
むしろ今の今まで忘れていたくらいだ。
本気じゃないってわかってたから。
「え?さっき祭で香里奈ちゃん見かけたけど?」
明日学校で会えば、あいつから謝ってくるに違いない。
喧嘩の後はいつも
そうやって仲直りしてきたんだ。
あいつが俺しか見えていない事をわかってて
甘えすぎていた。