色恋花火
「俺やったらこの子にこんな顔絶対させへんのにって思ってた」
「え…?」
並んで座っていた微妙な距離感が縮まった気配がして治まっていた動悸が再び煩く胸を叩く。
時間は丁度20時を回り…
パァーン
パァーン
と、大きな音を立てながら七色に光る花火が目の前で弾け飛んだ。
その光はスポットライトのようにあたしたちを照らし、暗がりのせいでぼんやりしていた修二の端正な顔立ちが浮き彫りになる。
きれい…
心の中で呟いて
あたしは息を飲むほどの美しさに魅了され、金縛りにでも遭ったかのように身体の自由を奪われる。
頬に感じた修二の手の温もりがとても心地いい。
「香里奈が寂しい時はどんな時でもかけつける。毎日嫌ってほど笑かしたる」
ドクン。
一際大きく胸が脈打つ。
なにもかもを見透かしたような彼は
あたしのすべてを受け止めて優しく包んでくれるような気がした。
「香里奈、俺のもんになって」
修二の顔が少しずつ近づいてくる。
あたしだってもう高校生だ。
修二の言葉の意味、これから自分の身の上に起ころうとしている事がわからない程子供じゃない。
だけど
拒もうとしなかったのは
少しでも
君との未来を期待したからなんだと思う。
あたしは
そっと目を閉じた。
とにかく今は…
この心地いい優しさに少しでも長く触れていたくて。
「え…?」
並んで座っていた微妙な距離感が縮まった気配がして治まっていた動悸が再び煩く胸を叩く。
時間は丁度20時を回り…
パァーン
パァーン
と、大きな音を立てながら七色に光る花火が目の前で弾け飛んだ。
その光はスポットライトのようにあたしたちを照らし、暗がりのせいでぼんやりしていた修二の端正な顔立ちが浮き彫りになる。
きれい…
心の中で呟いて
あたしは息を飲むほどの美しさに魅了され、金縛りにでも遭ったかのように身体の自由を奪われる。
頬に感じた修二の手の温もりがとても心地いい。
「香里奈が寂しい時はどんな時でもかけつける。毎日嫌ってほど笑かしたる」
ドクン。
一際大きく胸が脈打つ。
なにもかもを見透かしたような彼は
あたしのすべてを受け止めて優しく包んでくれるような気がした。
「香里奈、俺のもんになって」
修二の顔が少しずつ近づいてくる。
あたしだってもう高校生だ。
修二の言葉の意味、これから自分の身の上に起ころうとしている事がわからない程子供じゃない。
だけど
拒もうとしなかったのは
少しでも
君との未来を期待したからなんだと思う。
あたしは
そっと目を閉じた。
とにかく今は…
この心地いい優しさに少しでも長く触れていたくて。