色恋花火

「信じらんない…」

『え?』

「約束破った上に反省も無し!?しかもめんどくさいって何!?あたしに会いに来るのがそんなに面倒!?」


拓馬はいつもそうだ。

当日の待ち合わせ時間を過ぎてから忘れてただの寝てただの…

気分の乗らない日はなんだかんだと理由をつけてどたキャンする。

いや、そんな事が殆どで。

付き合ってから一年と半年経つけど、約束がちゃんと果たされた事なんて片手で数えられる程度しかない。


『べ…別にそこまで言ってねーだろ』


「言ってるのと同じだよ!もういい!勝手にすれば!?…あんたとなんか…もう別れてやるんだから!!」

付き合う前は欝陶しいくらいちょっかい出してきてたくせに、付き合い出した途端に拓馬の態度が急に冷たくなって

最初は照れ臭いのかな?

で片付けられていたけれど日が経つにつれて彼の自己中度は増すばかり。


おめーを中心に地球は回ってんじゃねーんだよ!


と何度怒鳴りそうになった事か。


もう…
振り回されるのは沢山だ。

これが学校でも有名な名物カップルの本来の姿だなんて

惨めすぎる。



『…あっそ。べつに俺はいーよ。別れても』

「え……」

『もともとクラスの奴らに囃し立てられてノリで付き合ったみたいなもんだったしな』



あたしは耳を疑った。

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