からふる


 「お前、オレんちしんねぇのかょ!?お前んちのちょっと向こうだぜ。んで、近くだから、送ってやれって。勇志が」

 ・・そぉなんだ。まッ、ありがと♪


 「っつか、お前、キレたらこえーんだょ(汗」

 女は大体怖いょ。


二人で並んで歩くと、虫の合唱が、落ち着いた耳に入ってきた。


 「・・お前は、純一と勇志、どっちを選ぶんだ?」

真二が、静かに言った。


 「さてね。どっちにしよっかな」


 「真剣に選べよ」

いつになく真剣な声だった。
暗闇で見えないけど、きっと、顔も真剣だったと思う。


 どしたの。急に。

 「オレは、ずっと純一と過ごしてるけど、純一は、だいぶ前からお前のことスキなんだぜ」


 「お前は、多分、勇志をスキなんだと思う。でも、純一だって本気なんだぜ。そこは分かってやれよ」

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