からふる
秋野江勇志。
私の幼なじみで、たった3人しかいない北山小出身の1人。
容姿端麗、スポーツ万能少年。
学校でもかなりモテてる。

そんなヤツに、私はたいぶ前から、恋してる。

むだなんだけどね。
容姿もよくないし、スポーツもできない。
たったひとつできるのは、勉強だけ。
引っ込み思案なわけじゃないけど、男子の前では素が出せない自分。
だからあまり喋ったことはないし、当然、仲なんかよくない。



けど、見てるだけ。
見てるだけでいいんだ。
たとえキミが、ほかの人を想っていたとしても、私にそれをくずす権利はない。
たとえキミが、誰のこともすきじゃなくとも、私が隣にいる権利はない。


ただ、見てることしかできない自分。

変わりたい。
変わりたいのに変われない。

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