からふる


 「・・・やめて・・」
つぶやいた声は、罵声で響かない。

心がおかしくなりそう・・・。
私、絶対おかしい・・・。


 「やめてって言ってるのッ!!!」


木々にとまっていた鳥たちが、いっせいに夕焼け空に飛び立った。
あたりの罵声がやんだ。


はぁ、はぁ。


 「ごめん・・・。私が提案したこと、やっぱ自分で訂正する。
  ・・・話合おうよ・・・。
 だって、こぶしのケンカじゃ、この問題は解決しない。
 なら、話し合おうよ・・・。
 ここで。  私もいるから。
 ちゃんと証人にらるから・・・。
 とりあえず、腕、ひっこめよ?」


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