からふる


 「・・おぃ、お前ら、せっかくの鈴菜の誕生日に、こんなしらけた空気があっていいのかょ?」

勇志くんが、小さく呟いた。

勇志くんは、ただ一人、さっきからずっと、場の空気を換えようと、必死で喋っていた。
けど、しらけた空気はなおらない。
きっと、それで怒ったんだ・・・・。


 「そうだよな。オレらが誘ったのに、こんなんじゃ悪いよなッ」
真二が言うと、みんながうなずいた。


み、みんな・・・・。

うるうる・・・。


 「わゎ、何泣いてんだ?!」
隣にいた純一くんが、叫んだ。
ぞろっとみんなが私を囲む。

 あ、あれ?どうしたんかな・・・?
 誰かに、誕生日を覚えてもらってて、んで、私のために空気を変えようとしてくれる。
 たったそれだけで、何か、胸いっぱいになっちゃって・・・。
 初めてなんだ。
 人に、心から誕生日祝ってもらったこと。
 だから・・かも。
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