からふる
「お前、動きすぎ」
え・・・。
思わぬ言葉に、あわてて振り返る。
「ボールのかごも、ゼッケンの洗濯も、タイマーも、かぎ閉めも。お前は、働きすぎなんだょ」
「オレらは見てたぜ。最後の女子が、帰るとこ。お前が帰っても、お前には危害ねぇのに」
・・・・・
見ててくれたんだ。
私が一人で仕事してること・・・。
「オレらは、お前がずっと一人でがんばってたこと見てるし、たまには、ほかのやつにやらせれば?」
そう言ったのは、勇志くん。
ありがとう。
私の努力は、やっと、ここで報われた。
本来なら、1年がやる、ボールのかごの出し入れ、ゼッケンの洗濯、タイマーの設定。
私はすべてを自分で負った。